前回の記事では、世界的に環境への関心が高まりつつあることや、家づくりと環境の関係などについてお話ししました。
「”家を建てたり改修したりすることでCO2が発生する”ということを、今まで意識したことがなかった」という方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。
さて、今回はその続きとして、環境対策のひとつの手段として皆さんにぜひ知っていただきたい『LCCM住宅』についてご紹介していこうと思います。
目次
簡単に前回のおさらい
前回の記事では、皆さんにこのようなグラフをお見せしました。
家の建設や改修、日常生活を通して、私たちは多くのCO2を排出しています。つまり、一般的には上のグラフの黒いラインのように、年々CO2排出量は増え続けていくのです。
しかし一方で、緑色のラインのように、改修などでCO2を排出するタイミングはありますが、それでもCO2収支が将来的にマイナスへと向かっていくような家もあります。
それが、今回のテーマであり、「2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロ」を目指す上でみなさんにぜひおすすめしたい家でもある『LCCM住宅』です。
”将来”を考える家『LCCM住宅』
LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅とは、住めば住むほどCO2排出量が増えていく一般的な家とは違い、年々CO2収支を減らしていくことができるという、環境にやさしい特徴を持った家です。
暮らしに最低限必要な分以上の発電力を持つよう太陽光発電システムなどを搭載することで、家を建ててから取り壊されるまでをトータルでみたときに、最終的にCO2排出量の収支をマイナスにすることを可能にします。
また、環境に優しいだけでなく、家での発電により光熱費が安く済むことや売電収入が見込めることもメリットとしてあげられます。
高騰傾向にあり、毎月の大きな負担になりがちな光熱費ですが、家が十分な発電力を持っていればその点も安心です。
「太陽光発電をたくさん搭載すればいい」というわけではない
使う以上のエネルギーを創り出すことが重要なLCCM住宅ですが、ただ太陽光発電などをたくさん搭載すればいいというものではありません。
合わせて大切なのは、ながく住むことができるよう丈夫であるという点です。
先述した通り、家づくりの際にはたくさんのCO2が排出されます。
もしも、2、30年程度ですぐに取り壊さなければならないような家を建てたとすると、取り壊す際にCO2が発生し、また家を新たに建てるためにさらにCO2が発生する…という悪い循環が起こってしまいます。
しかし、あらかじめ基礎や柱を丈夫に作り上げておくことで、多少の改修は必要になったとしても、5、60年とながく住める家にすることができるのです。
CO2収支をマイナスにすることを達成するには、エネルギーを作り出す性能に合わせて、家が丈夫であることも重要なポイントとなります。
ZEHとはココが違う!
太陽光発電の話をしていると、LCCMよりZEHを先に思い浮かべられる方が多いかもしれませんが、このふたつは目指している内容などが大きく異なります。
ZEHの場合は、再生可能エネルギーによってまかなう必要があるのが、家電や調理以外の照明・給湯・換気・冷暖房(一次エネルギー)についてのみでした。
また、それを大きく上回らなければならないわけではなく、それらのエネルギーに関しては年間の消費量の収支をゼロにするということがひとつの要件でした。
そのため、搭載する太陽光パネルは4、5kWでも十分クリアできたのです。
しかし、LCCM住宅はそうではありません。
LCCM住宅で考える対象は『将来的なCO2削減』であり、最終的にマイナスをクリアする必要があるため、必然的にZEHよりも多い発電量が必要となるのです。
ZEHも含めて改めてグラフにすると、このようになると考えていただけたらと思います。
環境に優しい家づくりをする、ということ
LCCM住宅を建てるということは、売電収入や暮らしやすさなど、ご購入されるお客様にとってメリットがあるだけでなく、地球環境にもやさしい暮らしを始められるということでもあります。
このような環境に優しい家づくりをおこなうことは、すなわち地球環境を守らんとする地球規模のプロジェクトに参加することであるといっても過言ではありません。
LCCM住宅へ興味をもつきっかけが、売電収入などの目に見てわかりやすいメリットでもよいのです。
家づくりという人生の中でそう何度もはやってこない大切な機会に、地球環境のことを気にかける方が少しずつでも増えていき、結果的にLCCM住宅が”当たり前”な時代がやってくることを願っています。
えひめ住販は、建築会社という立場からできることのひとつとして、このような環境にやさしい家づくりを推進してまいります。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は地球環境にやさしい性能をもつLCCM住宅について取り上げました。
LCCM住宅をはじめとする環境にやさしい家の誕生によって、「家で暮らすことがCO2削減に繋がる」という家づくりにおける新しい常識が生まれてきているように思います。
2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを実現させるために、LCCM住宅は重要な役割を担ってくれることでしょう。
皆さんも家づくりを考える際には、ぜひ環境を守ることに繋がる家づくりをご検討ください。
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