迷わない!女性のための住宅会社選びの秘訣

  • 家づくりコラム
迷わない!女性のための住宅会社選びの秘訣

住宅会社の選び方に迷っている方へ

住宅会社を選ぶ際、多くのウェブサイトを閲覧したり、住宅展示場を訪れたりしていることでしょう。その過程でますます混乱してしまい、「どれが本当で、どの会社を選べばいいのか分からなくなる」と感じることがあるかもしれません。

以下は、私の師匠である松尾設計室の松尾和也先生から学んだ内容を要約したものです。この要約を読むことで、「知らなかったけれど本当に重要な要素と、それを見分ける方法」を理解することができるでしょう。

読み進めるだけで、考慮している会社のほとんどが脇役になり、本当に優れた住宅を提供している会社の中から、自分の感性や相性、価格を考慮しながら選ぶことができるようになります。頭の中が整理され、すっきりするはずです。

住宅営業はポエム合戦 なぜ、車を購入するのは簡単なのに、住宅を選ぶのはなかなか決められないのでしょうか?その理由は、単純に「住宅の肝心な性能を客観的に比較することができないから」です。

経験があるかもしれませんが、鉄骨造の会社に行けば「木造は弱いですよ」と言われ、「木造の会社に行けば鉄骨は火事に弱いです。また断熱性が弱いです」と脅されることもあるでしょう。

断熱性能に関しては、「外断熱だから快適です」「○○工法だから暖かいです」「○○システムだからエアコン一台で快適です」「セルロースファイバーを使っているから良いのです」といったトークやカタログのオンパレードに出会ったこともあるかもしれません。

これを自動車業界に例えるなら、「ハイブリッドだから低燃費ですよ」「ディーゼルだから低燃費ですよ」というだけで、実際にリッター何キロ走行できるのかという説明や表示がどこにもないのと同じです。この状況で車種を決めるのは非常に難しいでしょう。

松尾先生はこれらを「ポエム」と呼びます。そして、ほとんどの顧客はカタログや営業マンのポエムを聞きまくった状態で、「どのポエムが一番良いのか?」という迷路に陥っていることに気づくのが難しくなってしまいます。

ポエム合戦から抜け出す3つの方法 住宅営業マンのポエム合戦から抜け出すために、最低限必要な項目を3つ紹介します。ポエムで比較せざるを得ない重要な2つの項目は「構造強度(耐震性能)」と「断熱性」です。

  1. 構造強度は国が定めた「耐震等級」で比較 構造強度については、国が定めた「耐震等級」で判断すれば、ポエムに惑わされることはありません。
  • 耐震等級1:国の最低基準同等
  • 耐震等級2:1.25倍の強度
  • 耐震等級3:1.5倍の強度

耐震等級3は必須であり、その理由については別の項目で詳しく説明されています。簡単に言えば、「耐震等級2の鉄骨造よりも耐震等級3の木造の方が強い」というように、構造種別や工法、柱の材料などのポエムに惑わされずに、単純に耐震等級3かどうかを見れば良いのです。

大手住宅メーカーのほとんどがこの基準を満たしていますが、中小工務店では満たしている会社はほとんどありません。地震のような大きな揺れが来ても耐えられるようにしたり、大きな修復なしに普通に生活できるようにするためには、耐震等級3は必要不可欠です。

ただし、耐震等級3相当と謳っている会社もありますが、注意が必要です。それはまあまあの強度を持っているとは言えますが、厳密な耐震等級3よりも若干劣る強度です。

  1. 断熱性能はUA値またはQ値で比較 次に断熱性能についてですが、ポエムとしてどんな断熱材を使っているかや工法などを一旦リセットしましょう。代わりに、国が出している断熱性能の指標であるUA値または過去の指標であるQ値を見てみましょう。

どちらの値も小さいほど良いです。UA値なら0.46以下、Q値なら1.6以下を目安にしましょう。これらをクリアしていれば、家全体を暖かくしても、一般的なサラリーマンが支払える暖房費で十分に済むことが多くなります。または、引っ越し前の住まいで我慢しながら過ごしていた寒さよりも、暖房費が安くなることも多いです。

  1. 気密測定を行っているかで絞り込む 実は、住宅会社を選別するために、もう1つの質問があります。「気密測定を行っていますか?」と尋ねるのです。

気密測定を行っていないということは、断熱性能に関心や技術力がない会社だと判断しても良いでしょう。ちなみに、C値の目安は1以下です。全棟気密測定を実施している会社でこれをクリアしていない会社は、ほとんど存在しないと思います。

住宅会社の選び方に迷うわけ この3つの質問を営業担当者に投げかけると、すべて満たしている場合、冷静に詳細な説明がされるでしょう。しかし、満たせていない担当者は、内心であれこれ詭弁を使ってポエムの世界に引き戻そうとするかもしれません。

これに惑わされずにいることができれば、この3つの質問で残る会社は、住宅業界全体のうち1割にも満たないと思われます。最初からこういった要素を重視して会社選びをしている方に関しては、約5割の会社が該当するかもしれません。

近年、住宅業界では「省エネ化」「高断熱化」というトレンドが広まっています。その結果、どのウェブサイトを見ても「省エネ」「高断熱」と謳われています。そんな中で、何も書かれていない会社を見つける方が難しい時代です。しかし、上記のような質問方法を使うと、ほとんどの会社が明確に回答できないことが分かるでしょう。自動車に例えるなら、カタログに「低燃費」と書いてあるのに営業マンがリッター何キロ走るか答えられないようなものです。もしかしたら、15キロしか走らない車かもしれません・・・

本当はもう少し調べたほうが良い具体的な検討項目があります。それが、「住宅会社選別チェックリスト」です。これも使ってもう一段絞り込むことが望ましいと思います。しかしこの絞り込みをするとそれなりに多くの地域で「一社も残らない」という場合が出てくると思います。

 

そのような場合は、初めに書いた、①構造強度(耐震等級3)、②断熱性能(UA値)、③気密性能(C値)と、デザインや設計力、価格といった自分で善し悪しが比較、判断できる項目のバランスを見ながら決めればよいと思います。

当社を選ばれなかったとしても上記の内容にしたがって住宅会社を選択した場合、暖かさ、涼しさ、健康、経済性、資産価値のあらゆる面において非常に良い選択ができる可能性が高くなることは断言いたします。

一人でも多くの方が生涯で最も高価で長く使う「住宅」購入で失敗することがなくなること、そして、本当の省エネ住宅が増えることでCO2削減と日本のエネルギー自給率向上にも貢献することが、私の願いです。

最後に、人生100年時代において一人でも多くの方が晩年まで健康面と経済面で自立して各家庭で健康に暮らしていけるようになることを願ってこの選択方法を公開しています。その意味からもシビアにご活用いただければ幸いです。

いかがでしたでしょうか?皆様がポエムに惑わされずに、素敵なお家にお住まい頂けるように願っております。最後まで読んでくれてありがとうございます。

次回は「住宅会社選びのチェックリストについて解説します。

えひめ住販 滝口貴士

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