3000年の歴史を誇る日本最古の道後温泉は、古代、伊予の温泉・熟田津の温泉といわれていました。
それがなぜ「道後」と呼ばれるようになったか
というこですが、大化改新(645)によって各国に
国府が置かれ、この国府を中心として、
道前・道中・道後の名称が生まれました。
道中は、国府のある地域を称し、京に向かって国府の
前部にあたるところを道前、後部にあたるところを道後
と呼んだわけです。
従って、中世の道後は、現在の今治市より南を総称した
わけですが、近世に入ってからは、温泉の湧く今の道後
に限定するようになりました。
各地の温泉場には、由来すなわち源泉の発見について、古くからいろいろな興味ある伝説が残されています。
白鷺の伝説は、足に傷を負い苦しんでいた一羽の白鷺
が岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日飛んできてその
中に足を浸していたところ、傷は完全に癒えてしまい、元
気に飛び去ったというものです。これを見た人たちは大
変不思議に思い、入浴してみると、爽快で疲労を回復す
ることもでき、また、病人もいつのまにか全快したことか
ら、盛んに利用されるようになりました。
この鷺谷という場所は、今の道後温泉にほど近い地であ
ったといわれ、後世の人たちがこの伝説を記念するため
に、鷺石という石をここに置きましたが、現在は放生園に
移され、保存されています。